『マルタカ』の事例メモ その5-石材補修・再生-
石材ドクター・杉本治郎『マルタカ』の事例メモ
その5 -石材補修・再生-
その5 -石材補修・再生-
物件名 : | 茨城県 筑波山の祠の石碑と、参道の敷石 |
石材材質 : | 石碑は仙台石、参道は御影石 |
目的 : | 経年による石碑表面の苔や汚れ除去(読めなくなっている彫り字の再生)、および参道敷石の滑り止め |
作業概要 : | 1:石碑 高圧洗浄機(100kg)による苔と汚れの除去 山地の傾斜面を、ロープと人力による後押しで引き上げた。 事前打合せにより、50mホースによる水の確保を行った。 2:参道 バーナー掛け 酸素ボンベ(50kg)とプロパンガス(20kg)の設置 |
使用薬剤 : | なし |
使用器具 : | 高圧洗浄機(200k圧)、バーナー一式、脚立 |
ポイント : | 1:石碑 対象物が仙台石で堅いことから、高圧洗浄だけによる洗浄が可能になった。 ガン先を対象物から10cmくらいの近距離から、縦・横丹念に動かすことにより、ムラのない仕上がりが得られる。 2:参道 敷石が80mmと厚みがあったため、割れの心配が少なく、大口径(1号管)による作業ができた。 角部分は外から内、目地部分も外から内にバーナー掛けすることにより、角欠けを注意する。 そして、後の洗浄をしっかり行うことが大切。 |
一言 : | 今回の依頼では『石碑下部の土台石の苔は残したまま石碑の洗浄をして欲しい』とのこと。 従って薬剤を使用せず、高圧洗浄だけの洗浄となった。 |
エピソード : | 「なにかの祟り?」 古い祠の洗浄、それも茨城県筑波山ということで、早朝5時半に助手と二人で横浜を出発。 7時近く、常磐道の筑波インター近くで、高速道路上に脚立(約2m)の落下物を発見。急ハンドルを切って避けたが、左側のタイヤは接触。後方から来た20トントラックは、脚立を轢きパンクした。 そして、インターから現場までの間で前輪のパンク。 現場に着くと、怪しげな中年男が、祝詞をあげながら駈けずり廻っており、合掌して退去していただく。 高圧洗浄機を斜面引き上げの際、ぬかるみで滑り、一部破損。 作業終了後、横浜に戻ってから立て続けにタイヤ3本のパンクが発生。 ……という忘れられない現場になりました。 |
作業前の石碑 |
作業後 |
作業前の参道 |
作業後 |