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ラバータイルクレーム増加

ビルメンテナンス情報
ラバータイルクレーム増加

著 木村光成 さん

 ラバータイルのクレームが増加している。
 バブル期前にはほとんど見かけなかったラバータイルが、リノリウムと共にエコ素材として使用されだした。特に、古タイヤを使用したゴルフ場用ラバータイルが多い。もちろん、グリーン購入法適合資材である。
 また、古いビルの再生により、古いラバータイルやリノリウムの洗浄でのクレームが増えている。
 まず、剥離剤が以前より強力であることと、ラバータイルやリノリウムの経験のないクリーンクルーが多いこと、ラバータイルやリノリウムの判別を、協会が教えてないことが原因といえる。

 新品サンプルの断面や、裏を見れば誰でも判別は容易であるが、現場で汚れたものを上から見ただけでは、まず見分けられない。
 ラバータイルには、1:合成ゴム、2:天然ゴム、3:ゴムタイル風ビニールタイル があり、その上に、軟質と硬質の区別と長尺とタイルがある。
 以前は地味だったリノリウムやラバータイルも、最近ではかなり華やかである。
 また、剥離剤やワックスも、ゴムの種類による細かい取り扱いが必要である。

 クレームの危険性は、天然ゴム>合成ゴム>ラバタイル風ビニールタイル である。

 以下は、最近横浜のビルメンから寄せられたラバータイルクレームである。
 原文のままであり、クレーム発生の状況が、ある程度わかる。現場分析を行えば、対応法も考えられる。



 左写真は天然ゴムタイルの断面であるが、この種類では、着色は表面の一部にしか過ぎない。溶剤系剥離剤や荒めのパットで表面が侵されると、下地が出て白くなる事例が多い。
 下の青い部分はドイツ製の合成ゴムタイルであるが、変色クレームは少ない。着色層が薄いほどクレームになりやすい。

 右写真は『建築資材展2007』でのラバータイルで、かなり華やかな色があり、ホモジビニールタイルと間違えやすく、特に現場での判別技術が必要である。判別を行っていれば、今回のクレームも避けられた可能性がある
 現在、類似床材には、ラバータイル、リノリウム、ホモジニアスタイル、コンポジションタイルなどがあり、理論的には、使用ワックス、使用洗剤の使い分けが望ましい。にもかかわらず、指導講師のマニュアルが複雑すぎるという反対があり、現場での判別法さえ教えず、全て同じマニュアルで対応している。これがクレーム増加の最大の要因でもある。
 床材の薄片サンプル採取技術と、判別薬品使用技術の解禁が必要である。

 左の写真は、ゴムタイルのサンプル事例であり、手前2点は合成ゴムであり、残り4点は天然ゴムである。
 このいくつかには、再生ゴムが混入されていることがわかる。
 ビルメン現場にとっては表面部分の厚みが薄いと、歩行による磨耗とフロアパット、または剥離剤による溶解などによって、下地の露出が起きやすい。

 右の写真はビックサイトの使用例であるが、外見からラバータイルと推測されるが、薄片法で判別を行わなければ、判別もデータも得られない。

 いずれにしても今後ゴムタイルのクレームは多くなる。
 また、それまでのメンテナンス法や保護剤の種類など、基礎データの受け継ぎが全くないのがビルメン業界の常である。

注:
 合成ゴムは、主なものはSBRとNBRの2種類がある。
 このゴムは、大戦中ガソリン用のホースや航空機の防弾タンクとして揮発されたため、溶剤に強く且つ柔軟性が高いため、パウダリングを起こしやすい。
 パウダリングは冬に起こりやすいということも、最近のクレームに関連している可能性もある。
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