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建築資材展からビルメンの今後を読む

ビルメンテナンス情報
建築資材展からビルメンの今後を読む

著:木村光成 先生

 3月4日から第14回建築建材展が開催された。この展示会は春先に開催され、その年の最新の建築資材が発表される。春先は新築、リニュウアルが増加するという意味もある。
 この展示会の分析を数年連続的に続けているが、これには、ビルメンの対象である床、壁面、外壁、ガラスなどの、将来の予測をするという意味がある。また、使用洗剤、使用機械、クレーム予測、品質管理、見積もり積算などの先取りとデーターの蓄積に、他社よりも早く取り掛かることでもあり、それだけ他社との差別化が図れるということにもなる。

 以下に今回の傾向と分析の要点を列記する。
1: 業界の要求が、外見の良さと低価格、それに加えてエコの要求である。 

2: 外見の良さと低価格とは、デザインと軽く薄いことである。
 薄さは表面から見たのではわからないが、今までどおりの強度を持ち軽いことは、住宅の低価格化につながる。

3: エコと健康が求められ、フォルムアルデヒドや石油系溶剤は敬遠される。
 塗装が敬遠され、それに代わりフイルムの貼り付けが大流行である。3Mは昨年に引き続き、車へのフイルム施工の実演を行った。薄くて軽く、有害物質を出さない典型である。

4: 建材の主力は、木材、セラミック、ガラスの3つである。
 木材は従来の天然木材から、エコ狙いの複合フローリング、いわゆる張物が優勢である。
 表面は0.2mmの薄さの天然木を貼り付けたものや、フイルムに木材柄を印刷した3Mの新製品や、第日本インクの超光沢化粧板が、デザイン性、軽さを売りにしている。また、積水樹脂が発表した樹脂とステンレス複合板は、重量が従来品の1/4である。

5: 最も目立ったのはセラミックタイルであり、それも輸入天然石材風大型タイルである。
 外見は本物の大理石よりも光沢があり、美しく、価格も桁違いに安い。しかし、多くのクレームが起きていることは周知のとおりである。
 輸入ルートが何本もあり、各社それぞれのネーミングがついているために、実際の製造元の同定が難しい。また、表面処理(ワックス塗布、撥水剤塗布、乾性油塗布など)もまちまちである。
 ビルメンから見た分類は、磁器、陶器、炻器、素焼きの区別、そして施釉、無釉、マット釉の判別が必要であり、汚れの取れやすさの点から細孔の密度も知る必要がある。

6: 現在の方向性はメンテナンス不要による差別化である。
 たとえば、ナショナルアラウーノ、ワックス不要床材、オーマイテイフロアーなどである。
 各業界がこの穴場を狙っている。
 今回も、東リが出品した塩ビタイル新製品の例では、詳細は発表されていないが、工場塗布による保護剤によって「ワックス150回分の耐久性がある」としている。
 本年夏に発表の予定であり、ビルメン業界も対応を資材メーカーに丸投げや建築資材メーカーへの問い合わせなどでは対応できない段階にあり、独自の研究開発が求められている。

7: 品質表示と品質管理の必要性。
 外見的なきれいさを基準にしたメンテナンス法では、汚れがつき難い製品やワックス不要商品が次々に発表されている現在、受注価格の低落は避けられない。
 ビルメン業界は、少しでも早く第三者も含めたきれいさの基準を、しかも衛生的なきれいさを含めた基準を、作成しなければならない。第三者も認めるメンテナンスの評価が定まらない限り、適正な受注価格も定まらない。
 顧客が価値を認めないメンテナンスでは、ブランドアップはできないし、たとえ認められても化けの皮が剥がれる。
 ビル管法の中で、清掃だけが衛生的評価基準を持っていない。すでにビル管法制定以来行われていないこの問題を、できるだけ早く整備することが、ビルメン協会が公益法人としての確固たる地位を獲得する唯一の手段であろう。

 

 


輸入天然木材

天然石材風セラミックタイル

セメント製擬石

塗装からフイルムへ(3M)


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