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ビルメンの未来が読める過去の情報

ビルメンテナンス情報
ビルメンの未来が読める過去の情報

著:木村光成 先生

 ビルメン業界には、過去の情報は不必要という意見が多い。ビルメン業界に歴史は無用と云う役員までいる。
 果たしてそうだろうか?

 ここ数年で急速に過去の資料が失われつつある。特に清掃に関する資料の喪失が著しい。
 設備関連ではオーム社があり、建築業界との関係もあるため、資料は比較的整備されている。そのうえ大手の製造業には内容の充実した社史がある。社史そのものが業界の技術史でもあり、川崎市の宮前図書館には過去の技術史を検索できる日本一の資料が保存されている。それほど、内容の充実した社史が保存されているということである。
 残念ながら、技術史として扱える社史を作っているビルメン会社は無いといってよい。左に挙げた資料なども、ビルメン協会でさえ保存整理がされていない。筆者がハウスクリーニング協会に揃えておいたこれらの資料も、すべて廃棄されている。
 歴史は繰り返すといわれるが、我々ビルメン業界もある意味では過去を繰り返していると言える。過去が忘れ去られた頃、不思議に過去の出来事が繰り返される。

 ビルメン業界ほど歴史を大切にしない業界はない。
 10年ほど前、ビルメン業界の一部で過去データーをデジタル化しようとの考えがあった。また、一部の学者から、ビルメン技術史の必要性を提案された。デジタル化してネットで公開することで、過去の資料を広く活用してもらい、ビルメン業界の重要性を他企業に広く知ってもらおうとの考えであったが、業界の反対で行われなかった。
 ビルメンの歴史は、文章で残っていればデジタル化ができる。しかしそれがなければ、検索も不可能である。現在、比較的楽に検索できるビルメンの歴史は、1:ビル新聞縮刷版 2:ビルクリーニング 3:積算と見積り 4:設備と管理 である。
 もっとも、中心になるはずのビルクリーニング誌が意外に検索し難い。また、ここ10年ほど、清掃に関する記事があまりにも少なく、現場情報も少なく、協会の掲示板的内容が強い。現在最も役に立つのが、ビル新聞の縮小版であり、良くも悪くも当時の現場の状況をよく伝えていて、当時の価格も商品名とともに調べられるし、歴史も古い。
 ところが、これらの資料を保存してあるビルメンが少ない。少なくとも、協会関連では自由に閲覧できることが望ましいし、できれば貸し出しができればよい。特に、ビル新聞縮小版は高価であり、なかなか個人では買いきれない。

 30年前の資料から、歴史は繰り返す例を挙げる。
 10年ぐらい姿を消してまた現れたし機材、システムをいくつか併記してみる。

30年前流行し、最近再流行した事例
事例 30年前の新発売 現在の新発売
パウダークリーニング ホストが、パウダークリーニングが将来主流になるとして販売。 ガラス状に硬化するパウダーの販売。
振動ポリッシャー 霞が関ビルの完成時に、隅の剥離用として200台輸入。 新製品として大々的に販売中。
外国の資格販売 松崎氏が日本クリーンサービス連盟を結成、カーペットの国際ライセンスを販売。 日本カーペットクリーナズアカデミーが、新たにライセンス販売を行っている。
品質管理と品質保証 三井物産がミラサムシステムを立ち上げ、カーペットの品質管理と10年保障を行う。 ISOをはじめ、種々さまざまな内容の品質管理と品質保証が流行しているが、実質保障の面でミラサムを超えるシステムはまだない。

 上記の例は、ほんの一例に過ぎない。
 姿を消しては現れる資器材は100例を越えるし、販売元が転々とした資器材も多い。1社で10年以上定着している機材、システムは少ない。
 過去の事例で、なぜ姿を消したのかを分析すれば、ビルメンの変化が見て取れる。また、販売法や使用法が不適な場合もある。
 これらを解析することは、販業者やビルメン業者にとって大きな利益である。なぜなら過ちを繰り返さないで済むからである。けっして販売業者の足を引っ張るものではない。

 右の写真は、30年前に200台輸入された振動ポリッシャーで、パウダークリーニング用と剥離用があった。ビルメンテナンス誌で東京協会清掃委員会が、将来大流行すると推薦していた。
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