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サンアメニテー乗っ取り話

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サンアメニテー乗っ取り話

著 木村光成 先生

最近ビルメン業界の世代交代が激しい。日本ビルサービスの身売り、ポリッシャーメーカー武蔵電気の身売りなど、たて続きである。
ひとつには、国際化の波がビルメン業界にも押し寄せてきているためだともいえる。会社の乗っ取り、すなわち株の買占め劇は、村上ファンドや外国資本による買収劇を見ても、時代の変化が見て取れる。

東京の中堅ビルメンであるサンアメニテーの吉沢社長が、4月に東京協会の役員を辞任し、非常勤取締役になった。話では、会社上場話にのり、その過程でコンサルタントに会社の実権を握られ、非常勤取締役に落とされた、とのことである。
同氏は昭和53年、ヨシザワ商会を設立。以来約30年、同社を現在のサンアメニテーにまで育ててきた。

筆者と同氏の関係は、2年ほど前、同社が中心になり約40社でビルメンの勉強会、未来研究会を立ち上げ、現場技術の研究を約1年間行った経緯がある。そして、この中心であったサンアメニテーと明和産業が、東京ビルメンテナス協会の役員に就任した。
その間、同社の立ち上げの苦労話や、プール関連清掃の組み立てと機材の開発についての逸話も聞いている。昨年の埼玉プール事故の現場も以前受注しており、かなりの実績もある。また、東京ビルメン協会の中の古手の役員の間では、一時期、談合についての噂が流れ、ある役員は「協会の品位が落ちる」などと話をしていた。
筆者の見たところでは、新興業者は出る釘は打たれるであり、特にビルメン関連協会は保守的であるから、同氏の苦労は当然と考えていた。言い換えれば、同氏は新しいものに取り組む意欲が強かった。ビルメンの立場からの技術研究会を、独自に立ち上げた例は少ない。ほとんどが業者主催のセミナーである。
また意外と人間的で、親しみのある面もあり、自慢のベンツにキーをつけたままコンビニエンスストアの前に停め置き、目の前で乗り逃げされた話は、今でも思い出される。
同氏が、上場により第2の堀衛門を夢見た可能性はあろう。ビルメン業界を50年見続けてきた筆者には、創業者である同氏の努力は評価すべきと考えている。

3年ほど前から大手ビルメンの現場から見た歴史をまとめている。ビルメンに歴史は不必要という協会の役員がいるが、歴史を記録しているのは動物の中で人間だけであり、社会に認められる業界は、客観的な歴史を持っている。

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