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トラッキング現象とビルメンの責任

ビルメンテナンス情報
トラッキング現象とビルメンの責任

著 木村光成 先生

2006年8月、電話線におけるトラッキング現象が初めて確認された(ビル新聞12月18日)。
トラッキング現象とは、コードの残留洗剤や埃などが原因で、絶縁が低下して電流が流れ、発火する現象である。
火事のあった事務所では、前日にビルメンが床掃除をしており、その時に洗剤が電話線に掛かり、出火したとされた。消防庁の実験では、電話線に洗剤を掛けると1分半後に火花が出て、4分後に出火した。電話線のような微弱電流での事故は珍しい。しかし、この事故もビルメンに無関係とはいえず、責任の所在の明確化と防止策に取り組む必要がある。
数年前にかなり問題が起きた、埋め込みコンセントの内部汚れと開閉不能問題は、現在でもかなり起きている。しかし、火災やトラッキング現象は表ざたになっていない。電話線ならば電流量は少ないが、埋め込みコンセントの場合は100Vであり、遥かに出火の危険が大きい。

 左写真のうち、上は塗布ワックスによって開閉が出来ない例である。左は上に引くと蓋が開く形式であり、右はねじ込み式であり、この方がワックスが染み込むと取りにくい。中と下の写真は蓋式の内部であり、かなりワックスが入り込み固形化している。
このような形式は、比較的古いビルに多い。こういったビルの場合は、埋め込みコンセントの管理と責任が不明確である。ビルメン側としては言い出し難い。協会がオーナー側に提案しておくのが良いが、未だにそのままである。
絶縁不良が起きる場合は、剥離作業による汚水が内部に入り込んだのが原因であれば、全ての責任がビルメン現場に転嫁される場合が多いことを留意しておく必要がある。
また、新築ビルでは見かけなくなったが、タイルカーぺットの下に使用されるフラットケーブルも、古いビルには残っている。いずれにしても、現場の責任にならないように、提案書や仕様書に埋め込んでおくことをお勧めする。

 

 

 

 

 

 

 

 

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