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リノリウムとビニールタイルの類似

ビルメンテナンス情報
リノリウムがビニールタイルに、ビニールタイルがリノリウムに似てきた

著 木村光成 先生

リノリウムが増えている。特に擁護施設、病院などである。
リノリウムは独特の模様をもつ。そして長尺溶接が我々現場の判別の手段である。ワックスメーカーは「臭いが違う、裏を見ればジュートが見える」と言うが、それはサンプルのことである。現場では臭いはないし裏は見られない。
これによく似た床材に、長尺ビニールシートのリノリウム柄がある。これがリノリウム以上にリノリウムに似ている。洗剤メーカーの営業が「カーペットは触ればわかる。ビニールタイルは見ればわかる」と言うのはハッタリである。
外見上ではますます見分けにくくなっている。現場でのこれら建築素材の判別には『現場で出来る判別法』を身につける以外にない。リノリウムと類似素材の判別法は、現場でのコアの抜き方と、顕微鏡法と、薬品判別法に頼るしかない。

本年(2006年)三月、建築資材展でフォルボジャパンが出展していた。リノリウムは世界で3社しか製造していない。その中の大手がフォルボジャパンである。
この展示会で気づいた点は、リノリウムが変わりつつあるということである。

1:リノリウムのタイル物が販売されている。
2:リノリウムに工場で保護剤が塗布された製品に変わりつつある。
3:リノリウムの色調が明るくなってきた。

これらは、ますますリノリウムとビニールタイルの見分けが難しくなってきたということで、時間がたってからクレームになり、弁償問題が起きる危険が増えてくるということになる。
先日も《試みの会》の関係者から「リノリウムに長尺でない450ミリ角があるのか?」との問い合わせがあった。
また色についても、写真1はフォルボ、写真2はビニールタイルのリノリウム柄である。


写真1

写真2

写真1は色調華やかで、2のほうが地味で本来のリノリウムらしい。
と、なると、我々現場が見分けのポイントとしてきた「長尺溶接」「リノリウムの柄は地味」という判別ポイントは使えない。そして、フォルボの展示会では、保護剤が工場で塗布されていて、施工時にワックスは不要との説明であった。この保護剤の種類について説明を求めたが、答えは得られなかったため、あとに塗布するワックスとの蜜着の問題が起きる可能性がある。
また女性セールスにビニールタイルとリノリウムの見分け方を質問したが、臭いの違い以外あまり説明は得られなかった。

《試みの会》会員の質問は、ある養護施設でリノリウムとビニールタイルの長尺と角タイルが混在しているため、表面からの見分け方についてであった。
現場判別法を実験セミナーで身につけておく必要性がますます出てきた。本の上だけの技術は通用しなくなりつつある。同時に各種保護剤、塗料、ワックス、撥水剤、などの判別技術が必要である。特に撥水剤は各種入り乱れていて、床での耐久性もデーターがあやふやであり、ビルメンに責任が転嫁された例が出ている。また、外国では弗素系撥水剤の、発がん性の情報もある。
リノリウムも処理剤の性質(処理剤の種類)を調査し、テストする必要がある。
ワックス、剥離剤、表面洗剤の、最適な製品選択がメンテナンスの鍵になる。選択を誤ると、各種のクレームが後から起きる可能性が高い。

追記:この資料は、現場の人たちとのメールのやり取りで、色の発現をテストしている。東リカタログ、フォルボカタログと、色の違いと修正法を使用パソコンでテストされたい。今後カーぺットなどのクレームは、パソコンの色の発現が問題になる。

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