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21年度 第3回こころみの会

21年度 第3回こころみの会

実施日:2008年6月18日
会 場:産業貿易センタービル
主 催:こころみの会

講義1:新型インフルエンザ対策
講義2:知的障害者就労支援成功例
講義3:新製品紹介
講義4:企業紹介

講義1:新型インフルエンザ対策
ジョンソンディバーシー株式会社

 やや落ち着いてきたものの、いまだ警戒すべき状況の続いてる新型インフルエンザについて、基本情報と感染防止の解説がありました。

 基本情報については、新型インフルエンザ、豚インフルエンザ、鳥インフルエンザなどの違いについて。そして感染症の『WHOパンデミックフェーズの分類』について解説がありました。

 感染防止については『政府からの予防対策』『かからないための予防法』『事業者・職場としての感染予防』それぞれについて解説がありましたが、実のところ内容はほぼ同じで、病気の感染予防としては基本中の基本「人ごみを避ける、手洗い、うがい」に集約されるようです。

 最後に、感染者が出た場合の、清掃作業について説明がありました。
 基本的には、通常の拭き掃除を行い、あきらかに感染者の体液が付着している場合には、熱消毒かアルコール製剤による消毒を行うそうです。
 ポイントは、消毒液をスプレーや霧吹きなどで、噴霧しないことで、これをしてしまうと、ウイルスの飛散につながり、誰よりも作業者が危険にさらされることになるので、注意してください。

かからない予防法
 人ごみを避ける
 マスクを着用する
 頻繁に手洗いする
 咳が出るときは咳のエチケット(口元に手をあてるなど)
 うがいをする
 時差通勤をする


政府からの対策には、以下が追加されます。
 (雇用者に対して)時差通勤の推奨や容認の依頼
 発熱、悪寒などがある時は出勤せずに、医療機関で受診すること。

 集会やスポーツ大会の開催は、感染機会を減らす観点から、開催の必要性を検討し、実施する場合には主催者ができるだけ感染予防の努力をすること。


事業者・職場としての感染予防には、以下が追加されます。
 従業員の健康教育
 従業員の海外渡航にかかわる情報把握
 在宅勤務
 電話会議やビデオ会議の利用


かかったかなのサイン
 潜伏期間は1~7日間
 症状は、急な発熱(38~40℃)、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、下痢
 症状出る期間は3~7日間程度

 若い人に多くの感染が確認されている。
 風邪の場合は、のどの痛みや鼻水に始まって、その後、発熱がある。


患者滞在場所に対する環境整備・消毒について

 単に患者が滞在しただけの場所については、あまり考慮する必要がない。
 患者が使用していた物品については、適宜拭き取り清掃を行う。

 患者が頻繁に接触したと考えられる箇所や、患者由来の体液が付着している場所にについては、濡れタオルやモップによる拭き取り清掃を行う。
 洗浄剤を使用すると効果的。
 水気を嫌う場所は、アルコール製剤で消毒する。

 食器、衣服、リネンは、通常の洗浄・洗濯でよい。
 患者由来の体液が付着しており、洗濯などが不可能である場合は、アルコール製剤で消毒する。
 可能であれば熱水消毒(80℃、10分以上)を実施。


 消毒は次亜塩素酸ナトリウム溶液か、イソプロパノール、もしくは消毒用エタノール製剤を用いる。

 次亜塩素酸ナトリウム溶液
 0.05~0.5w/v%(500~5000ppm)の溶液を用いる。
 30分間の浸漬か、消毒液を浸したタオルで拭き取り消毒する。

 イソプロパノール、もしくは消毒用エタノール
 70v/v%イソプロパノール、もしくは消毒用エタノールを用いて清掃する
 消毒液を十分に浸したタオル(ペーパータオル等)、脱脂綿を用いた拭き取り消毒を行う。

 どちらを用いるにせよ、噴霧すると、不完全な消毒や、ウイルスの舞い上がりを招き、消毒実施者の健康被害にもつながるので実施しないこと。
 清掃時、実施者はマスクと、ゴーグルなど眼を保護するもの、手袋を着用する。
 手袋は滅菌である必要は無いが、頑丈で水を通さない材質のものを使うこと。

 作業後は、流水・石鹸による手洗いか、速乾性消毒用アルコール製剤による手指衛星を必ず実施する。

参考:
 ジョンソンディバーシー株式会社『新型インフルエンザ対策情報』

講義2:知的障害者就労支援成功例
 ビルメンテナンス業界における障害者就労支援について、大阪からゲストをお迎えしての講演会がありました。
大阪知的障害者雇用促進建物サービス事業共同組合(エル・チャレンジ)
丸尾 氏

 愛称のエル・チャレンジは「Labor Challenge」の意で、働くことへのチャレンジを意味するそうです。

 1999年の設立当時、身体障害者の雇用率はあがっている一方で知的障害者の雇用率は下がる傾向がありました。
 エル・チャレンジは設立以来、行政、企業、福祉の間に立った支援機関として、就労が難しい知的障害者の就労支援を目的に活動しています。
 養護学校や支援団体などからは、就職希望者や訓練生の受け入れを。企業との間では、障害者雇用についての相談や、就職後の定着の支援などを行っています。

 エルチャレンジでは、障害者の就労支援というだけでなく、社会に出た後に障害者が困ったり戸惑ったりすることのないよう、まず、社会に通用する技術を習得してもらい、また、社会人としての必要な社会技術(挨拶や道徳、身辺自立など)を、生活レベルから分析し、個人の状況に応じて必要な技能を習得できるように工夫しています。

 平成9年~11年の調査では、就職1年での平均離職率は約16%で、3年後まで続いてる人は64%、逆に言えば、36%が3年で離職しています。
 こういった状況の下、障害者が就職するのを支援するとともに、働き続けられる(職場に定着できる)環境を整えることに力を注いでいます。

 設立から9年で300人ほどを送り出し、9割が職場に定着して働き続けているそうです。


障害者の立場に立った、企業としての業務の遂行に何が必要か
・少しの配慮や工夫があれば、障害者は働くことができる。
・障害者の側に立った視点。
・企業と障害者は、対立するものではなく、快適な労働環境を作り上げるパートナーとなること。
・障害者が働きやすい職場は、障害のない人にとっても快適な職場となる。

就労支援ワーカーが担うべきこと
・企業と障害者の間に立って、調整を進めるコーディネーターであること。
・企業の業務遂行と、障害者の人権は対立するものではなく、目的は同じ。
・これをうまくコーディネートする、就労支援の専門家であること。


 最後に、総合評価一般競争入札制度について、お話がありました。

 せっかく1年かけて現場に定着しても、入札で負けてしまえば職を失ってしまいます。
 これを少しでも改善するのが総合評価一般競争入札制度で、価格と価格以外のいくつかの要素を総合的に評価し、発注者にとってもっとも有利な者を落札者とします。 これは、大阪府の目指す『行政の福祉化』を進め、入札の基準を『金額基準から社会的価値基準へ』と変える制度です。

総合評価 評価項目
・価格評価 50点

・技術的評価 14点
 技術力向上、研修規定、計画、苦情処理、自主検査体制

・公共性評価「福祉への配慮」 30点
 知的障害者就業状況、知的障害者支援体制、継続雇用

 就職困難者等に対する各種就労支援事業新規雇用
 地域就労支援センター、障害者就業・生活支援センター、
 母子家庭等就業・自立支援センター、ホームレス自立支援センター

 地域就労支援事業における、これまでの協力度
 障者法定雇用率、母子家庭の母の雇用率

・公共性評価「環境への配慮」 6点
 ISO取得状況、再生品の使用、低公害車の導入


参考:
大阪知的障害者雇用促進建物サービス事業共同組合(エル・チャレンジ)
大阪ビルメンテナンス協会 理事
株式会社美交工業
福田 氏

 株式会社美交工業では、知的障害者雇用にあたって、単に法定雇用率やイメージ優先の障害者雇用にならないように、支援者(エル・チャレンジ)と協力して創意工夫を重ね、現在では雇用率30%を超えるようになり、重度障害者雇用の認定も受けているそうです。

 障害者の雇用には、経営者の都合や決定だけではなく、管理職の人材育成、現場への周知、そして専任支援者の配置など、企業から作業現場までが一体となった受け入れ態勢が大事です。
 ここでいう専任支援者とは、事前に勉強会などを行って、障害者についての知識と理解を持った担当者のことです。
 たとえば、現場にいる人が好き勝手バラバラに指示を出すと、障害のある作業者は混乱してしまいます。これを避けるため、誰の言うことを聞くべきか、命令系統をハッキリさせておくのがひとつ。また、仕事中の指示だけでなく、日頃の様子を見守ることで「いつもと様子が違う」「何か困ってるんじゃないか」……といったことを気づいてあげる、生活面のトラブルなども含めたサポートを行います。

 一方で、様々なサポートを行うことは必要ですが、単に手厚いサポートをするだけでは、会社が疲弊してしまいます。福祉活動が会社の負担になるようでは、たとえば経営状況が苦しくなった時に、障害者を切り捨てるようなことになってしまいます。
 そういうことにならないように、障害の度合いや適正をみて、その人にできる仕事を、障害の無い人と同等に任せられるように工夫することが大事です。
 この、仕事を任せられるようになるためのサポートを、中間支援団体(エルチャレンジなど)との役割分担と協力によって実施していくわけです。
 たとえば、障害の症状や度合いによっての適材適所、作業工程表の作成、道具や現場に目印をつける、など。こういった工夫は、障害者だけでなく、外国人を雇用する場合にも応用できます。


・CSRではなく、企業努力をする
・価値観を押し付けない、誰も排除しない
・固定観念や偏見で判断せず、関係づくりを大事にする

支援者との共同作業
・職務分析(作業工程の研究など)
・個々の適正に応じた課題分析
・作業手順書・指示書
・作業道具の改良(色分けなど)
・定期的なケース会議による改善
・スキルアップに向けた支援
・就労後の余暇活動支援
・職場の安全面の配慮
・オーナーの理解を求める


 障害者雇用に続く挑戦として、ホームレスの雇用についてもお話がありました。
 公園に住むホームレスのなかには、公園を、自らの住処として清掃している人もいます。これを清掃作業員として雇用すれば、ホームレスは減り、市民へのサービスにつながります。
 ホームレスを雇用する場合にも、単に雇って住居が決まれば終わりではありません。ホームレス個人の抱える問題を、無くしていく努力が必要になります。個人の問題とは、たとえば、借金やアルコール中毒症などの、ホームレスをホームレスにしている原因のことで、これが解決できないと、ホームレスを脱したことになりません。
 それには、障害者への支援と同様に、仕事と生活の両面でのサポートが大切です。


 また、福祉施設での園芸福祉活動も行っています。
 園芸福祉活動とは、園芸を通じた人同士の交流やリハビリを促進する活動で、ここでも専門のNPOと協力することで、プログラムの作成などをしています。
 障害者の作業員を高齢者施設に配置した場合、施設オーナーの理解は得られても、高齢利用者によって拒絶されることがありました。しかし、この園芸福祉活動で障害者と高齢者が交流できる場を設けると、最初は拒絶を訴えていた高齢者も交流活動を通じて緩和され、回を重ねる毎に参加者も増えていったそうです。
 同時に、高齢利用者が園芸活動で作業することには、五感を刺激される、最初は不安がっていた利用者の気持ちが安定してくる、参加することで社会性が養われる……といった効果もあり、これは、高齢者の地域活動支援センターでの就労訓練などにもつながっています。


 こういった活動によって、株式会社美交工業は『2005年 大阪府 ハートフル企業大賞』を受賞するなど、社会的に評価され、社員のモチベーションもあがり、職業意識の向上にもつながりました。また、総合評価入札制度によって、大きな現場を受けられるようになりました。

 福田氏のお話は「最初は社会のために始めたことが、いつの間にか会社のためになりました」という言葉で括られました。

参考: 大阪ビルメンテナンス協会 理事
株式会社美交工業

講義3:新製品紹介
ペンギンワックス株式会社
『マイティメイド Mightymaid 』

 バッテリー駆動の、小型コードレスドライバキュームです。
 特徴は、バッテリーに”リチウムイオン電池”を使用していることで、従来のバッテリーに比べて「寿命が長い」「小型軽量」「メモリー効果がない」「急速充電できる」といった利点があります。

・高性能バキューム
・満充電1時間で、50分の連続稼動
・吸引力は、従来型コードレスの1.5倍
・高性能帯電エアーフィルターは、静電気の力で埃を捕集する清潔設計
・小型軽量ハイパワーで多目的に使用できる

 コードレスなので、階段の清掃や車内清掃、大型施設の巡回清掃などに、手軽で安全に作業できます。また、部分的な汚れなどの、ちょっとした用事にも、素早く対応できそうです。

 コンセントの抜き差しや、家具や机を避けながらのコード取り回しによる制約からも解放されるので、作業効率の向上が期待できます。同時に、コードをひっかけることによる、つまづきや、物品破損事故なども防止できます。
 もうひとつ、バッテリーを利用するので、一時期に多くの電気製品を同時に使用することでの、ブレーカーが落ちる事故も防止できます。


参考:
ペンギンワックス株式会社
※現状では『マイティメイド』の商品情報は掲載されていません(2009年6月30日現在)。

講義4:企業紹介
TOTOメンテナンス株式会社

 TOTOメンテナンス株式会社について、会社概要や事業内容についての紹介がありました。
 主な業務はTOTO製品のアフターサービスで、点検・修理・整備や、交換部品の販売なども行っています。

 点検業務については、製品が利用開始から年数の経っていない物であれば、修理やオーバーホールを行い、もしも販売から大幅に年数の経っている物であれば、修理対応だけでなく、買い替えの提案、それも利用者にとって、より適切な製品を選択して提案してくれるそうです。

 講義では、点検料金や部品価格の概要紹介、修理の事例紹介もありました。

参考:
TOTOメンテナンス株式会社
※上記サイトの『アフターサポート』のページには、日常的メンテナンスやトラブルへの対処に役立つ情報や、手順解説、製品図面などが掲載されています。

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