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19年度 第2回こころみの会

19年度 第2回 こころみの会

実施日:2007年4月26日
会 場:産業貿易センタービル
主 催:こころみの会

講義1:『ビルメンテナンス企業の支援と実例』
講義2:『室内空気環境測定』
講義3:『TOTOが考える学校トイレ改善とCSR』
講義1
『ビルメンテナンス企業の支援と実例』
ビジネスシステム総合研究所 鎌田氏

 ビジネスシステム総合研究所は、コンサルティングの会社です。ビルメン関係でのコンサルティング事例では、以下のものがあり、講義では、それぞれの概要について概要と判例の解説がありました。

 ・指定管理制度のコンサルティング
 ・人事制度
 ・業務改善

 ここでは、上記のうち、講義でもメインの話題だった指定管理制度のコンサルティングについて、お伝えします。

 指定管理者の応募には、事業計画書が必要になります。その作成には、対象となる施設について知っておく必要があるでしょう。
 対象施設についてロクに知らぬまま、勢いと成り行きだけで応募したのでは、同様の案件を経験している企業に提案内容でかなうはずもなく、もし、指定を得ることができたとしても、後に大きなリスクを負うことになりかねません。

 とはいえ、よほど大手でも無い限り、ビルメンテナンス企業には、マーケティングや事業計画立案の専任スタッフはいないでしょう。
 そこで、この講義では、研究や企画書作成を専門とするコンサルティング企業との連携を提案しています。事業計画書作成にまつわる作業内容としては、以下のような部分でのサポートが、一例として挙がりました。

・データの収集
 現地の基本的調査から関連情報の収集まで。
 現場の写真撮影、競合施設の調査、問題点の抽出、類似成功事例の調査、利用者アンケート、など。

・分析・戦略的立案
 施設利用の効率をあげるためのアイディア提案。
 集客アイデア、パートナー企業の紹介、など。

  ・事業計画書の作成
 該当する自治体が指定する書式構成にしたがい、プレゼンテーションの効果も考慮して作成。

・プレゼントレーニング
 選定委員や市民を前にして行う説明会を想定し、質疑応答の対策研究や、模擬質疑を行う。

 専門家による事前調査と研究によって、改善策なども含めた事業計画を提案することができれば、経営の実質的な面だけでなく、選定委員に対する印象でも、ライバル企業に差をつけることができます。また、十分な分析と対策が行われていれば、将来的なリスクも減らすことができるでしょう。

講義2
環境問題への取組み 第3弾『室内空気環境測定』
(株)オオスミ 柴田氏

 オフィス勤務など、日中、多くの時間を室内で過ごすことによって、様々な問題が生じることがあります。
 近年、特に懸念されるのがシックハウス症候群です。建材や内装、接着剤などに含まれる化学物質が主な原因ですが、古い建築物に比べて室内が高気密化したこと、高層ビルの上層階では窓を開放し難い状況が多いこと、エアコンの効率アップを目的に換気を控えるケースがあること、こういった様々な要因によって、問題の発生が多く報告されるようになりました。

 換気不足からくる、ちょっとした息苦しさから、化学薬品に起因する中毒症やアレルギーのような重い症状まで、発生しうる様々な問題の早期発見と対策を講じるために、空気環境測定は実施されます。
 この講義では、アスベストの検知を含めた空気環境測定の必要性と、その作業内容についての基本的な解説がありました。

講義3
『TOTOが考える学校トイレ改善とCSR』
東陶機器(株)-学校のトイレ研究会- 高嶋氏

 学校のトイレ研究会は、CSR(企業の社会的責任)として、学校トイレの改善について啓蒙活動をされています。

 子供にとって、学校は一日の大半を過ごす場所です。その学校で、トイレを利用しない、利用できないでいることは、学校生活や学習環境に悪影響があるだけでなく、長期的には排便機能への障害など、健康面でも大きな影響を残しかねません。
 では、なぜ子供が学校のトイレを使用しない、もしくは使用できないのか?
 まず、トイレに行くことで、からかいの対象になってしまうことが挙げられます。大人ならなんでもない当然のことが、子供の社会では、からかいや、からかいがエスカレートしてイジメの原因になるということです。
 次に、学校のトイレが、臭い、汚い、怖い、壊れている……といった、実質的な問題が挙げられます。実態調査では、薄暗い、破損が放置されている、清掃の不足で汚臭が出ているなどの他、小便器が、低学年児童の体格にあわないために足元にブロックが置いてあるなどの、危険な例もあったようです。また、臭い、汚いといった現状が、上記の”からかい”につながることもあるでしょう。

 こういった、子供たちがトイレを利用できない状況が、教育のあり方に影響を及ぼしている。子供たちが安心してトイレを使えるように、特に学校の大半を占める公立学校のトイレ事情を改善する必要があると考え、学校のトイレ研究会では、マスコミを利用した周知・世論形成を進めたそうです。トイレを学校だけの問題にするのではなく、社会問題として訴えることで、国や自治体、さらには企業による協力も加えた、大きな枠組みで対策にとりかかれるよう、訴えたのです。

 学校のトイレ研究会では、清潔で明るいトイレ作りを提案する一方で、ただ単に学校のトイレを作り直すというだけでなく、皆で使用するための取組みとして、全員参加型のトイレ企画を推奨しています。
 教師やPTAなど、一部の代表者だけでなく、学校を利用する全ての人の意見を取り入れて、自分達で作る、自分達のための施設を作ろうということで、これは意見交換などの機会もできますし、施設を大切に使用する意識も育むなど、高い教育効果も見込まれます。

 もうひとつ、学校のトイレは子供だけの問題では収まりません。それは、学校には地域の防災拠点としての役割が求められているからです。
 大災害の被災地では、学校が避難所になることが多く、その避難所においては、トイレに関する問題が多く発生しています。多くの被災者が集まるということは、それぞれに様々な事情を抱えた人が集まるということです。それを想定すれば、老人や障害者にも利用しやすいバリアフリー設計であることや、オストメイト(人口排泄装置)に対応していることが望まれるのです。
 障害を負うことがなくても、人は誰でも老化します。学校トイレの問題は、子供だけの問題ではなく、周辺地域全体の、ひいては自分自身にも関わる問題であることを、意識する必要があるでしょう。


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