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震災対策技術展

震災対策技術展
自然災害対策技術展

会期:2006年2月2日~3日
会場:パシフィコ横浜展示ホール
主催:(財)神戸国際観光コンベンション協会
(財)神戸市防災安全公社

地震災害への備えを主体にしたイベントが、パシフィコ横浜で開催されました。
大きなものでは”すじかい”や、ダンパー、アラミド繊維を塗りこんだ壁面補強、建築物の基礎に入れる免振装置などが。小さなものでは、震源からの情報や、初期微動(P波)の発生情報から「あと○○秒で地震が発生します」と、主要動(S波)の発生を通知するパソコンソフトなどが、それぞれ複数の企業から発表されていました。
同時に、イベント中には、いくつか防災関連のセミナーがありました。このうち『住宅・建築物の耐震化の推進について』を聴講しました。内容について詳しいことは、参考のサイトなどから調べていただいたり、今後行われるセミナーを聴講していただいた方が確実でしょう。

平成18年1月26日に施行された『建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律』は、「耐震強化しましょう」というより「耐震強化しなさい」といった趣のもので、指導や支援によって建築物の耐震化を推進するものです。これまでよりも指導対象や内容を強化するなど、国民に努力義務を求めています。
これまでの指導対象に、学校や老人ホームなどが追加。さらに指導対象となる建築物の規模や要件の引き下げによって、指導対象が大幅に拡大されます。また、建物の倒壊によって道路の閉塞が起こらないように、都道府県が指定する道路に面した建物も、その高さに応じて指導の対象になります。
指導対象が増え、これら指導対象が指示に従わない場合には、建物名を公表できるなどの罰則もある一方で、支援体制の拡大も盛り込まれています。
なお、セミナーの現場では「耐震補強を実施したが、規定を満たせなかった場合の支援」について質問が挙がりましたが、「支援は目標を達成するための支援」なので、規定を満たしていない場合には支援対象にならないとのことです。

参考:『建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律』の施行について


フジワラ産業株式会社

災害救助道具セット『ニューまとい』

ハンマーや斧、ツルハシなど、これらは通常時には何かを壊したり砕いたりするための道具ですが、同時に時として人の命を救うために必要な道具でもあります。
たとえば、自動車事故の現場で、潰れた車内に取り残された被害者を救い出すために。または、地震で崩れた建物から、下敷きになった人を救い出すために。非常時には手早く破壊を進めることで、人命を救えるのです。

この『ニューまとい』は、人命救助に使う道具のセットで、ハンマー、ツルハシ、スコップ、それにジャッキなどが含まれています(オノはオプション品)。なかでも目玉は”組み立て式長尺バール”で、組み立てると2mもの長さになります(バールをテコとして用いる場合、その長さがより長いほど有利)。さらにセットの”カマセ木”を支点に置くことで、瓦礫撤去や重量物の移動に威力を発揮できます。

大規模災害時には多くの人が助けを求め、人命救助さえも順番待ち状態になってしまいます。こういった道具を備えてあれば、レスキュー隊が駆けつけるまでの間に、自らの手で瓦礫の下から人を助けることができるかもしれません。
できれば一度は訓練をして、道具の正しい使い方、最大効果を発揮する方法を周知することができれば、なお良いでしょう。

 イザという時には必要な救助道具も、日常では「気にはなるけど、普段は邪魔だからいらない」と突っぱねられてしまいがち。そうならないよう、道具の保管場所や収納方法にも、様々な工夫をして導入を促しています。たとえば写真の『ガードレールタイプ救助道具保管庫』なども、そのひとつ。
また、会場には持ち込めないサイズの商品で、津波発生時に避難するための鉄塔『タスカルタワーA』というのが写真展示されていたのですが、こちらも「公園の展望台や街灯設備を兼ねたり、夏祭りには盆踊りの太鼓やぐらに……」というように「普段も使える」「あっても邪魔にならない」ように、いろいろ考えて提案されているようです。

 

 下の写真は、内張りに強化樹脂を使った簡易ヘルメット『タスカル帽子』と『タスカルKATURA』です。
こちらのブースは、災害への備えを唱える一方で、こういったユーモアのある展示がされていました。

株式会社アイ・エス
国際ピーアール株式会社
株式会社北村鉄工所

 災害時には避難路の確保が重要です。ところが地震などの衝撃が加わると、普段は何気なく開閉していたドアが、開かなくなることがあります。
これはドア枠が歪んでドア板に押し付けられているためで、これを強引にコジ開けるには相当の体力が求められ、女性や子供では脱出不能になってしまいます。

写真はスプリングを内臓した『対震蝶番』です。
通常の蝶番では、ちょっとしたドア枠の変形でドアが固定されてしまいますが、『対震蝶番』の場合はスプリングによってドア板の角度に僅かな”遊び”が生じます。この”遊び”が、変形したドア枠に対して摩擦の少ない状態を作り、緊急時の避難路確保を可能にしてくれるのです。
 写真は展示用のカットモデルですが、実際の商品は、見た目普通の蝶番と全く変わりません。今あるドアの蝶番を交換するだけなので、導入は簡単で作業に時間もかかりません。

こちらは摩擦係数の低い(滑り易い)セラミック製の『対震プレート』です。 ドアに数箇所(上下と中央が効果的)、ドア枠とドア板それぞれ向かい合うように貼り付けておきます。震災でドア枠が変形した時には、このプレートが摩擦を減らすことで、ドアを開き易くしてくれるのです。

この『対震蝶番』と『対震プレート』の組み合わせた『スーパーレスキュー』にしておけば、たとえドア枠が変形しても、非力な人でも体重を乗せたくらいの力でドアを開けられるようになるでしょう。

浜口計器工業株式会社 『光林棒』

 ちょっとユニークな”発光する手摺り”です。
内部にLEDを装備しており、両端のセンサで人の接近を感知すると、全体が発光して適度な明かりを提供してくれます。光センサも装備しているので、周囲が明るい時には機能せず、節電するようになっています。
本体はFRP製のパイプで、手摺りとして十分な耐久性をもっています。長さも数種類あり、使用場所を選びません。取り付け金具を固定するだけなので、廊下でも階段でも利用できます。さらに、電池(単三乾電池か単三充電池)を使用するので配線工事等も必要ありません。
電池だと、どうしても電池切れが気になりますが、電池切れ警告の赤色LEDが充電時期を知らせてくれるようになっているので、気がついたら明るいうちに電池を交換しておくようにしましょう。
 この商品は、もちろん夜間災害時には避難誘導の助けにもなりますが、どちらかといえば日常生活での転倒事故防止に役立つでしょう。今は高齢者が住んでいるけれど、建てた時には何の対策も考えていなかった……というような家に、後から導入するのには丁度良いのではないでしょうか。
表面には天然木(桜)の突き板が貼り付けてあるので、パッと見には木製の手摺りにしか見えません。どこに設置しても違和感がないように、見た目にも配慮されているのです。木目調の外観によって、発光時にはユニークな模様が浮かびあがります。

下の写真は展示会場での発光デモの様子なのですが……周囲が明るかったため、イマイチ効果がお伝えできないのが残念です。

東邦絨氈株式会社
有限会社ケイエスケイ

超長時間型蓄光タイルカーペット『光るカーペット』

蓄光材式の誘導パネルを埋め込んだタイルカーペットです。
既存のタイルカーペットを使うので、必要な部分だけ交換するだけで済み、もちろん電源などは必要ありません。
気になるメンテナンスですが、毛足と蓄光パネルの境界を狙って延々と機械を使うような、耐久テストみたいな作業でもしない限りは、普通のタイルカーペットとして扱って大丈夫だそうです。

 

『光るカーペット』に使われている蓄光材は、発光の持続力が特徴です。
写真は会場でのデモンストレーションの様子で、カーペット周囲のラインと、下の避難誘導パネルが『光るカーペット』の製品。中央のパネルは、比較用に置いた他社一般蓄光材の製品です。

左:
ライト点灯時。
左下:
ライト消灯直後。この時点では、真ん中の他社製品の方が明るく発光しています。
右下:
消灯から少し時間が経ちました。真ん中の他社製品は光量が減衰しているのに比べ、『光るカーペット』は光量を保っています。
超長時間蓄光シート『ヒカッちょる』

蛍光灯そのものを包み込むという、ユニークな蓄光製品です。
製品は筒状になっているので、蛍光灯にスッポリ被せるだけで装着できます。蓄光材はベタ塗りではなく、一定の隙間が空いているので、これを装着したことによる蛍光灯の光量低下は3%程度と、ほんの僅かです。
蛍光灯を包み込むので、蛍光灯が破損した場合、破片の飛散を防止してくれるという副次的効果もあります。

株式会社ブリッジワークス
TDOグラフィックス株式会社

『蓄光路面標示板』

やはり蓄光材を用いた避難誘導パネルですが、こちらはレジンコンクリート製で、石材タイルなどに埋め込んで使用します。
既存のタイルに埋設できるので、ビルの床板などに後から導入することができます。また、研磨仕上げを施して、床の表面を均一にすることもできます。表面はノンスリップ加工なので、雨に濡れても滑りません。
メンテナンス性も高く、表面を研磨するような作業をしても、蓄光材の効果が落ちたり、誘導マーク(緑色の模様部分)が消えてしまうようなことも無く、安心して作業できます。
写真 左上&右上:
この製品の特徴は、蓄光材そのものに厚みがあることです。同様に、模様部分にも厚みがあり、全体が金太郎飴状態になっているので、研磨仕上げすることもできるし、メンテナンスで薬品や研磨機械を使ったとしても、効果に影響しないのです。

写真 左:
もうひとつの特徴が、蓄光材にガラス片を混ぜ込んであることです。蓄光材そのものの性能はもちろんですが、さらに上記した厚みがあることと、このガラス片の乱反射を総合することで、発光が明るく、効果が持続するようになっています。

写真:会場での暗室を使ったデモンストレーションの様子。
こちらのブースでは、床面用の他にも、アルミ板に蓄光材を塗布した強力発光タイプの壁面用標示板や、階段の縁に貼り付けるタイプなど様々な蓄光製品があり、これらを併用した総合的な安全誘導標示を提案していました。

参考:震災対策技術展/自然災害対策技術展
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