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引渡し清掃のクレーム多発

ビルメンテナンス情報
引渡し清掃のクレーム多発

著 木村光成 先生

1:ビニールタイルクレーム
引渡し清掃のクレームが多発している。
ビニールタイルの引渡し清掃2,000平方メートルの現場で、塗布ワックスが蜜着不良を起こした。パウダリングまではいかないが、塗布の段階で既に色むらが見られた。
タイルの種類はラミネートタイプで、右写真のように三層に分かれている。上層が透明ビニールシートで、ビニール分が多く、ワックスとの密着が悪い。その下が印刷層で、印刷を構成するドットが見える。

ビニールタイルの密着度は、以下のようになる。
コンポジ単層 > コンポジ複合(チップ) > ピユア > ホモジチップ > ホモジ(フイルムラミ) > シート(チップ) > シート(フイルムラミ) > シート(インレイド) > シート(クッション,透明層) > UV、メラミン塗装 > オレフィン
注1:傾向を示す資料
注2:表層の透明層が影響大

引渡し清掃の場合、水拭きだけで塗布を行なっている例がある。酷い場合にはダスター掛けだけで塗布に入る例もあるが、非常に危険である。
ビニールタイルの表面は、きれいに見えても表面に可塑剤や剥離剤が付着している。コンポジタイルのように、表面に凹凸や穴があれば、まだワックスは付着し易い。水拭きだけで何とかなる例は、コンポジの場合が多い。
このようにフイルムがある場合は蜜着不良を起こす事が多い。少なくとも、溶剤系の剥離剤で洗剤拭きするは最低の条件である。
いずれにしても、これ等は自己責任で行うことである。
10年前に、横浜ワールドポーターズで大面積のホモジタイルの蜜着不良があり、かなりこの種の事故は減少したが、咽元過ぎれば……で、年末に掛けて注意されたい。受注価格が安いのは解るが、責任は取らなければならない。

2:フローリングの密着不良
マンションの引渡しで密着不良が起きた。
最近のフローリングは、現場塗装はほとんど見かけない。工場でのUV塗装がほとんどである。そしてワックス不要を売り物にする商品が増えている。ナショナルが代表である。
ワックス不要ということは、ワックスが蜜着しないということでもある。しかし、このことは塗料も接着剤も効きにくいということであり、傷や凹みの修正が出来ないということでもある。そこで、最近はある程度の密着性を残す傾向がある。
また、特にマンションでは、接着剤を使わない釘打ちが多くなっている。さらに釘を使わない組み合わせ工法も行われている。ここに以前のような水をまいて拭きあげる作業を行ったら、ワックス塗布以前に反り返りが起きる。

 まず拭きあげ洗浄は、反り返りを起こさない作業が要求される。そして、少なくとも洗剤拭き、できればパット洗浄を行い、密着度を上げる必要がある。

 水拭きだけでのワックス塗布は、フローリングの現状から考えて、密着不良が起きるのは当然である。

左写真は、ワックス不要フローリングを代表するナショナル製品である。最近の製品は以前の製品より密着が良いように思われる。

 

 

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