メインメニュー
広告エリア
湖南商会 横浜管財 バナー広告募集中

表参道ヒルズと撥水剤

ビルメンテナンス情報
表参道ヒルズと撥水剤

著 木村光成 先生

表参道ヒルズがオープンして半年になり、650万人が来訪した。そろそろビルメンからの評価が可能になりつつある。
このビルはデザインを最も売りにしたビルだ。ガラスと照明のビルともいえる。床材、壁面は六本木ヒルズと同じライムストーン、中国産花崗岩の使用で低価格に抑えられている。
低価格志向は羽田第二空港にも共通であり、これ等を覆い隠す役目がデザインである。しかし、良いデザインも汚れがついたら何の働きもない。汚れが落ちなければ、張替え立て替えが必要になる。すなわち、最近の建物低価格デザイン重視は、ビルメン現場に多くの負担を強いる可能性がある。

表参道ヒルズはライムストーンが多い、いわゆるルーブル、ルイビトン調である。これらはやわらかく、吸水率が高い。最近は吸水率の高い壁材が増えている。これに対して撥水剤や、最近では撥水性塗料を使用する例が多い。
しかし、これ等は性能はまちまちで、分類もされていないのが現状である。
スポット輸入品やネット販売、フランチャイジールートから浸透性撥水剤が主に販売され、皮膜形成型が加わり、最近は塗料メーカーから水溶性撥水性塗料が宣伝販売されている。

これ等はマルビル、六本木ヒルズなどで試用され、各種の欠点が指摘されながらも、少しずつ定着しつつある。石材の使用条件により無塗装、ワックス、撥水剤と使い分けられていて、ワックスと撥水剤の同時使用が出来ないことも常識化しつつある。また、石材メーカーが施工段階で石材裏面にも撥水加工を行い、裏からの汚れの吸い上げが少なくなったのもその理由であろう。
いずれにしても、この現場は撥水剤評価には良い現場である。また、ジョンソンの撥水剤が使用されていて、評価には最良の現場である。

 写真は石材の内部サビであるが、撥水剤の欠点は、内部さび、内部汚れと裏面からの吸い上げに、吸着法が使用できないことと、塗布時に石材の種類により部分吸水率が異なり、塗り斑が出やすいことである。特に最近は、マルビルのジュラストーンや、トヨタビルのアフリカンライラックなどの鉄分を含むサビ石には注意が必要である。
 左の写真2枚は、表参道ヒルズであるが、いかにデザイン重視であるかがわかる。
しかし、その反面、取れない汚れがあると非常に目立ち、デザインを損なう。そのことはビルメン現場の負担が増加することを意味する。これ等の要求に対しては、技術開発以外に道はない。
表参道ヒルズはこれからデータ収集の絶好の現場である。1日も早い、撥水剤、撥水塗料、樹脂ワックスの使い分けシステムの構築が急がれる。

この記事をソーシャルブックマークへ登録する: はてブ Yahoo!ブックマーク twitter

ページ先頭に戻る