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ビルメン現場における顕微鏡の必要性

ビルメンテナンス情報
ビルメン現場における顕微鏡の必要性

著 木村光成 先生

ビルメンが変わりつつある。
今までは建前だけで過ごせたが、今後は具体的な、目に見える形での実施が求められている。その代表が、グリーン購入法のビルメンへの適応である。
裏づけデータも、メーカー製やハッタリは通用しなくなりつつある。形だけの、実行抜きのマニュアルが指摘されたのが、埼玉プール事故であろう。

大手のビルメンセールスが、リノリウムを見分けられなかったことを管理会社のコンサルタントから指摘された。サンプルならともかく、現場では床材の表面しか見えない。しかも、ビニールタイルそっくりのリノリウム、リノリウムそっくりの、いわゆるリノリウム柄のビニールタイルが増えている。大手リノリウムメーカーのセールスも見分けの難しさを認めている。現場で変色に気づいてはじめてリノリウムであることが問題になる例が増えている。

判別には顕微鏡が必要である。現場資料の裏づけ作りになくてはならないのが、顕微鏡データである。最近ジョンソンがセールス全員に小型顕微鏡を持たせたのはこのような背景による。「ビルメンでは顕微鏡よりゴルフのパターの方がはるかに役に立つ」という時代は過ぎ去った。また、清掃委員会も顕微鏡の必要性を認識する必要性がある。
今回は現場のための顕微鏡に絞り解説する。

1:ビルメン現場用顕微鏡
ビルメン現場で使用する顕微鏡の条件
①低価格、5000円以下。
②現場使用で小型。
③応用が幅広い。高性能。

このような要求に合う製品は、なかなかない。どこかで妥協するしかない。まだゴルフ道具が上に見られるビルメン業界では、会社費用での購入は難しい。高価なものでも個人で購入している例が多い(ビル代行など)。
このような条件から携帯型落射照明単眼実体顕微鏡ということになる。
倍率は30倍、広視野、約5000円。
技術のない場合は、出来るだけ高性能(分解能が高い。視野が広い。明るい)なものが良い。


携帯型実体顕微鏡の目的と効用
目的と対象 補助用具と技術
カーペット
カーペットモノフィラ繊維判別 カッター、ピンセット
タフトの磨耗、へたりの判定  
変色、脱色の詳細 カッター
カーペットの密度 スケール
石材
石材の結晶判別(花崗岩、大理石) 結晶形状、判別液
石材内部汚れの判別  
さびの原因判別 判別液
ビニールタイル
ビニールタイルの種類判別
コンポジとホモジ判別
薄片製作
リノリウムの判別  
フローリング
フローリング判別(木種の判別)  
突き板と印刷の判別  
目地シールの確認  
突き板の厚み測定 彫刻刀
壁装
外装の経年変化(大理石、アルミ) PVCスンプ法
ガラススケール
標準ブラシ繊維、ステンワイヤー
0.1から0.05mm
ステンレスヘアラインの磨耗 スンプ法併用
壁面床面などの傷 スンプ法併用
清掃機材
モップ、ダスターの繊維判別 判別染料
パウダーの判別 形状、判別染料
ハウスダスト
ダニの検出 厚生科学研究参照
ハウスダスト分析  
データの応用
顕微鏡資料の提案書、報告書の書き方  


追記:写真撮影
本来、この顕微鏡では写真は取れないが、デジタルカメラの一部を使用して、かなり良い写真が取れる。

写真1:
ジョンソンが、セールス全員に持たせている顕微鏡である。
倍率は10倍から30倍可変。
写真2:
鏡筒を引き出し、スイッチをいれて照明をつけ、倍率を決め焦点を合わせる。
写真3:
カーペットの写真撮影。
小型の焦点深度の深いもの、安物が意外に良い。
カメラで撮影し、パソコンで延ばすとかなり良い写真になる。
写真4:
モノフィラメントで、レベルループであることがわかる倍率は30倍である。小さくしない原版では、はるかに鮮明な写真が得られている。
何しろ低価格機材であり、資料の採取、処理、判別薬品の使用、手持ち撮影など、慣れ、技術、知識が必要である。
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