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管理会社による残留洗剤検査

ビルメンテナンス情報
『管理会社による残留洗剤検査』
カーぺット残留洗剤がうるさくなる

著 木村光成 先生

1:管理会社の残留洗剤チエック
管理会社の締め付けがうるさくなっている。
2004年に、大手管理会社がカーぺットの残留洗剤テストを行ったことは報告した。この場合は、カーペット表面を濡れたブラシでこすり、泡の出を調べる方法であった。しかし、今回はメチレンブルーによる、かなり本格的な手法である。たきつけたのは外国のカーぺット会社、または防汚剤メーカーの可能性が高い。
2003年、Mビルで石材の撥水剤が一、二ヶ月で効果がなくなり、提案書で推薦したビルメンとメーカーが呼び出された話は有名である。今回の仕掛けは、現在激化しているショッピングセンターへのカーぺット化の目論見に関連していると推測される。
ある外国メーカーは15年の耐久性を表示している(保障ではないと思われる)。また、外国のカーぺットシステム販売会社は、同社のセミナーを受けてシステムを採用すれば、アメリカ並みの30年使用に耐えると説明している。30年前のパウダーシステムの売り込みが思い出される。

我々現場も対応策を考えておく必要がある。ところで今回の残留洗剤の検出法は――
1:蒸留水を綿棒に付け、カーぺット表面をよく拭く。
2:メチレンブルーとクロロフォルムを加えた検査薬を試験管にいれる。
3:綿棒の水分を絞り、試験管にくわえる。
4:メチレンブルーの分離により、洗剤を判定する。
――というものである。
この方法は30年前、防汚剤メーカーによって提案された。カーぺットに残留洗剤があると防汚剤が繊維に付着しないため、事前に残留洗剤を検出するための手法である。

写真A:防汚剤メーカーのカタログより。
当時、防汚剤の現場施工が行われたが、その結果があまり良くなかった。その原因が、ビルメンの施工前のリンスの悪さとされて問題になり、このようなカタログが作られた。

2:残留洗剤がうるさくなる。
20年前の残留洗剤は再汚染が主な問題であった。前章の話は、ビルメンのリンス工程での手抜きの指摘であり、きっかけはテナントが水をこぼしたところ、泡が出たことが発端との話である。しかし、現在の残留洗剤問題はかなり様相が違う。

1: 残留洗剤がダストと混ざり、カーぺット内部に残留し、カーぺットの寿命を縮める。
特に乾燥しないノニオン洗剤が原因の可能性大。
2: 事務所ビルでの浮遊ダストに含まれる洗剤の問題。
最近売り出されている、「乾燥して粉になり、バキュームで回収されるため、すすぎは必要ない」という売込みの裏づけは、必ず要求される。最近はダストの回収率をJISで算出することを求められる。
3: ハウスクリーニングにおける素足に生じる皮膚障害。
国民生活センター事例。
4: ハウスシック団体の動きに注意。
いずれにしても、残留洗剤に対する消費者やオーナーなどからの、ビルメン現場の対応をシュミレートしておく必要がある。

追記:想定提案書、想定報告書の作成。
これらの問題に対する解決には、カーぺットに関する厚生科学が非常に役に立つ。これを使用して反論材料を作られたい。
特にクリーニング総合研究所の、林先生の「カーぺットクリーニングにおける残留洗剤の測定」は重要である。これを超える公的研究はない。特に未発表の洗剤の種類による残留量は重要な研究である。
また、販売業者の反対で行われていない「現場で出来る洗剤の見分け方」が必要になっている。

3:現場で出来る残留洗剤の見分け方
 この手法は、消費者センターが主婦を集めて洗剤の知識向上のために行っている方法で、JISに規定されている。また、クリーニング業界の教育でも行われている。最近は一部ビルメンの社内でも行われるようになった。
よい洗剤を選択するには、自社で選択する方法が1番よい。メーカの表示には、問題点は書かれていない。

写真B(右):ビルメンにおける洗剤分析セミナー。
各現場が使用中の洗剤を持ち寄り、性能判定を行う。
写真程度の資材が、消費者センターやクリーニング業界の現場用洗剤分析システムである。この点、ビルメン業界も各社が同様の技術を持たないと、ビル管理会社、特にコンサルタントに対応できない。すなわちプロ集団としては遅れているとみなされる。
この会社のシステムは『ビルクリーニング4月号』に発表される。

注:以下の資料を参照されたい。
・カーぺットクリーニング二おける、残留洗剤に関する調査報告。林喬
・メンテナンス情報。 ビルメン現場のための石鹸、界面活性剤、無機薬品の歴史。
・『ビルクリーニング』2006年4月号、5月号。ビルクリ化学実験ノート。

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