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最近の石材研磨クレーム

ビルメンテナンス情報
最近の石材研磨クレーム

著 木村光成 先生

昨年暮れ、六本木のクラブで石材メンテクレームが起きた。そして大手不動産業者が扱う青山のマンションでも石材クレームが起きた。
最近石材クレームが増加している。その理由には以下の三つが挙げられる。
1:石材研磨の普及
2:撥水材の売り込みの増加
3:安く実績の少ない石種の増加
しかし、このクレームは、基本さえ抑えておけば起きないクレームである。

1.石材研磨の基本
1:石材研磨には、かなりの技術が必要。モップの水拭きとは違う。
2:石材の種類により、つやの出が違う。石種を確認すること。
3:施工状態の確認。段差があるものは避ける。
4:研磨、珪フッ化処理(3M、ペンギン)、蓚酸研磨(ダスキン、ベストハウス)、撥水剤処理、ワックス処理。
以上の4種を知っておく。それぞれ長短所があり、使い分けが必要。
現場により石材研磨が最適とは限らず、この中から最適の技法を組み合わせ選択する。
5:保護剤の種類の確認

左写真:工場研磨では低回転で高圧力を加え、水を十分使用する。
右写真:ビルメンの研磨は回転数は高いが圧力は工場の10%以下で、水も不足がちのため、
つやの種類が異なり、バランスが取れない場合がある。


2.クレームの内容
1:
写真の大理石ネグロマルキーナは、以前からつやの出にくい石種であり、場合によれば3Mの珪弗化処理が、研磨より勝る場合が多い。
ダイアモンドパットによる研磨で全体が白くなってしまった事例である。
2:
高級マンションの引渡し清掃で、白大理石を使用したトイレと居間の一部につや落ちと傷があり、その修復を指示された。
費用の関係でワックス使用したが、トイレはともかく傷を隠しきれなかった。居間の場合は段差がかなりあり、研磨も難しかった。この部分はオーナーの意に添えなかった。
この石材は1般的なビアンコではなく、より白いギリシャ系の大理石であった。タソスホワイトなどが代表でつやが出にくい。
トイレ、浴室の白大理石は、必ず保護剤を塗布しないと、あとでしみ抜き、洗浄を行っても取りきれない。
また最近は石材メーカーでなくタイル職人が石材施工を行うため、段差が多い。段差がある場合研磨は数倍手間がかかる。10円の段差があれば50ミリ以上の研磨時に影が生じる。
3:
最近のデザイナーズマンション(芝浦など)では、以前は使用していない黒花崗岩、山西黒が使用されている。
その場合、部分的にむら直しで着色または着色固形ワックスが塗布されている場合があり、油性洗剤の使用に注意されたい。
4:
ライムストーンの中で特にやわらかく白パットで削れるパラデイオライムが、最近また使用されている。吸い込みが強く撥水剤で色調が変わる。要注意。
なおパラデイオはルネッサンス期の建築家でこの種の石灰岩を多用した。

段差の目安には10円がよい。


 

 

 

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