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白カーぺットの黄化

ビルメンテナンス情報
白カーぺットの黄化

著 木村光成 先生

 白系のカーぺットの使用が増えている。
白は癒しの色であり、デザイン上でも必要であり、部屋の照明節約にもなる。
一方で、白は汚れ易い。
このために防汚剤が使用されるが、その効果は宣伝ほど出ないためにクリーニングが要求されることになる。しかし、白く仕上がらないで黄味を帯びる場合が多く、それを何とか白くしようとするのだが、次亜塩素酸で作業することにより益々黄味を帯びて、結局、クレームとなる例が多い。
このクレームを理解するためには、染料顔料を理解する必要がある。

●染料は繊維の中まで着色するのに対し、顔料は繊維の表面だけを覆おう働きをする。
顔料は表面の顔料が落ちると下の色が出てくる。

●顔料には白と黒があるが、染料には白と黒は無い。
白は染料が全く無い状態であり、黒は全ての色の染料を使用した場合である。
カーぺットの繊維のウールもナイロンも、元の色は白ではなく黄味を帯びた白であり、これをナチュラルと呼ぶ。繊維を純白にするには、白の顔料で表面を覆うか、蛍光剤で青みをつけて白に見せる。
洗剤によりこれ等が繊維から脱落すると、黄味を帯びたナチュラル色になる。白系のカーぺットが黄身を帯びるのは当然であり、この理論をオーナーに説明しておく必要がある。
また蛍光剤は発ガン性の問題で使用されなくなっている。


写真:最近販売が増加しているシャギータイプである。
このアクリル物は汚れがつき易く落ち難い。また、下地の汚れを吸いあげやすい。


上図:カーぺットの代表的染色工程。
先染めと後染めがあり、後染めは連続染色が出来るので加工性は良いが、染色堅牢度は先染めに劣る。

カーぺットの染め替えは染料と顔料を知ることである
外国のカーぺット染替えシステムが30年前から行われているが、なかなか定着しない。これは染料と顔料を理解していないからである。
なぜ染替えが普及しないか、その理由を以下に挙げる。

1:最近の染料は染色堅牢度が強く、漂泊剤でも完全に落とせない。
2:現実に使用できる染料は酸性染料であり、ナイロンとウールしか染色できない。
3:模様物の染替えは不可能で、無地物しか作業出来ない。
4:元の色より濃い色しか使えない。最も楽な色は黒である。
5:広い面積ではムラが出やすい。
6:新品カーぺットとの価格の兼ね合い。

このような条件を考えると、実際作業できるカーぺットは限られてくる。
外国製の何万円ものセットを買うよりも、むしろ東急ハンズなどで染料を買い、シミの染色補正技術を身につければ、1色あたり200円程度で済み、現実的である。


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