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カーペットクレーム一覧表

ビルメンテナンス情報
『カーペットクレーム一覧表』

著 木村光成 先生

注:表中、発生増加が予想されるクレーム名を 赤字青字>黒字 の順で示す。
カーペットクレーム一覧表
2006年 第7版(初版 1965年)
  クレーム名 現象と簡単な対応 推定原因 発生時期
01 縮み 壁側の強度が弱く、グリツパーが外れたもの。
ウール初洗いに注意。
乾燥後キツカーで修正。延ばしにくいものも多い。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業中、後
02 伸び 接合部ではずれた場合、乾燥後戻る場合が多い。
統計的には化繊カットに多い。カット修正。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業中、後
03 裂け カーペットの強度が足りないもの。
部分張替えが多い。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業中、後
04 変形 置き敷きに多い。菱型変形。
グリッパー施工での長廊下などでのラインのうねり
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業中、後
05 タフト抜け コントラクトでは数メートルの長さで抜ける。
洗剤、前処理剤原因が多い。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業後、数日
06 接着はがれ シールテープのはがれも含む。
洗剤、前処理剤原因が多い。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業中、後
07 色泣き 色が流れ出した場合 機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後
08 脱色 色が落ちた場合。カビキラーが多い。 機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後
09 変退色 紫が赤や青、茶色がピンクなどの例が多い。
洗剤、染みぬき、が原因のことが多いが、
炭酸飲料でこの例がかなりある。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後
10 けば立ち ループのタフトの乱れ。
ループがカットになる。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後から数ヶ月
  クレーム名 現象と簡単な対応 推定原因 発生時期
11 ふち取り 隅まで洗浄できないブラシの使用で、一定幅のスジができる。
ループに多い。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
数ヶ月
12 吸い上げ ブラウニング、ジュートの
リグニンのアルカリ洗浄による溶解。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業中、乾燥後
13 再汚染 洗剤テストの省略。リンサーで修正可能。 洗剤、
作業方法
数日
14 洗浄作業むら ポリッシャー、横むら、ロールタイプ、リンサー、縦むら 作業方法 乾燥後
15 反り返り
(縮みの一種)
タイルカーペットの縮み。乾燥後、戻ることが多い。
価格を落とすため、バックを薄くした製品に起きる。
クリーニング 作業後
16 獣道 通路沿いにベルト状に汚れが発生する。
内部汚れの蓄積、長期にわたるメンテ法が原因。
リンスの繰り返しで対応。
洗浄後吸い上げ(ウイツクバック)と重なる。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
数ヶ月から
通常3年目
最近は1年で
起きる例が多い
17 洗浄後吸い上げ


染みぬき後吸い上げ
タイルカーペットが洗浄リンス後、茶色になる。多発。
綿パットによるふきあげ(一次的処理)。

タイルカーペット裏の汚れの吸い上げで、つなぎ目が黒くなる。
ビチュウムの、染みぬき剤、洗剤の溶解、吸い上げ。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
作業後、乾燥後
18 焼きつき ポリプロピレンカーペットは環境に安全なプラスチックであり、
今後使用される可能性が大きい。
しかし温度に弱く、90度を超えると危険。今後多発
クリーニング、
作業方法
作業後
19 マットあと 水に強い塩ビバックのタイルカーペツトといえども、
マットや植木鉢の長期の放置はクレームにつながる。
作業方法 数ヶ月
20 洗剤むせ 残留洗剤。残留パウダー。 機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後、数日後
  クレーム名 現象と簡単な対応 推定原因 発生時期
21 足のはれ、かゆみ (ハウスクリーニング)国民生活センタークレーム 機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
数日
22 洗剤臭 (ハウスクリーニング)国民生活センタークレーム 機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
数日
23 動物臭 (ハウスクリーニング)国民生活センタークレーム 機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
数日
24 洗浄不良 汚れや染みが落ちてないという苦情。 機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後
25 染みぬき不良 汚れや染みが落ちてないという苦情。
見積もり時の説明が原因。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後
26 仕上げ不良 カット物、特にベロア。
ビロード状であるため、細かいワイヤーブラシで
起毛しないと筋になる。
クリーニング、
作業方法
乾燥後
27 ブラシ、機械あと 洗浄機械を置いた跡。意外に修正難。 作業方法 乾燥後
28 家具の色落ち、さび 還元、漂白で修正。色補正。修正難。 作業方法 乾燥後
29 家具後との差 ウールカーペットの椅子痕はスチームで修正可能。
汚れ差は難。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
乾燥後
30 雲状模様 高級物の特徴であるが、タイルカーペットでも起きる。
(カーペットメーカーも認めるビルメンの責任外)
クリーニング 乾燥後
  クレーム名 現象と簡単な対応 推定原因 発生時期
31 遊び毛 スパン糸のもの。
(カーペットメーカーも認めるビルメンの責任外)
ハウスクリーニングでウールの高級品に多い。
クリーニング  
32 好湿性カビ
(好乾性カビを除く)
表面の好湿性カビ類は、締め切りのマンションなどに多い。
ウール、ジュート基布。
ビルメンの責任は、洗浄後の乾燥を確認しない場合。
機械、洗剤、
クリーニング、
作業方法
 
33 ダニ(偽ダニ症) ハウスダストからはダニが検出されないのに、かゆみを訴える。
コンピュータ室が意外に多い。
   
34 ハウスシック 化学物質だけが原因ではなく、ハウスダスト、
好乾性カビ類、残留洗剤、なども関連する。
   
35 光源による擬似汚れ 蛍光灯の演色性の確認。
意外にビルメンの責任にされる例が多い。
   
36 日光による変色 窓際との差は目立たないが、かなり多い。3年目以降。    


カーペット種類別 クレーム頻度
  クレーム名 絨毯(段通) ウイルトン アキスミンスター シャギー
フックドラグ
タフト長尺 タイルカーペット
01 縮み      
02 伸び      
03 裂け      
04 変形    
05 タフト抜け          
06 接着はがれ        
07 色泣き
08 脱色  
09 変退色
10 けば立ち        
  クレーム名 絨毯(段通) ウイルトン アキスミンスター シャギー
フックドラグ
タフト長尺 タイルカーペット
11 ふち取り        
12 吸い上げ      
13 再汚染      
14 洗浄作業むら      
15 反り返り
(縮みの一種)
         
16 獣道    
17 洗浄後吸い上げ
染みぬき後吸い上げ
         
18 焼きつき          
19 マットあと        
20 洗剤むせ  
  クレーム名 絨毯(段通) ウイルトン アキスミンスター シャギー
フックドラグ
タフト長尺 タイルカーペット
21 足のはれ、かゆみ        
22 洗剤臭          
23 動物臭          
24 洗浄不良    
25 染みぬき不良  
26 仕上げ不良      
27 ブラシ、機械あと      
28 家具の色落ち、さび  
29 家具後との差  
30 雲状模様      
  クレーム名 絨毯(段通) ウイルトン アキスミンスター シャギー
フックドラグ
タフト長尺 タイルカーペット
31 遊び毛        
32 好湿性カビ
(好乾性カビを除く)
       
33 ダニ(偽ダニ症)          
34 ハウスシック
35 光源による擬似汚れ        
36 日光による変色      



・クレーム頻度は、今回から4段階表示にしてある。
これはビルデング協会、国有物件の評価が4段階であるのに合わせているが、使用各社の判断による。
・本表はクレーム索引と考えられたい。
・本表の資料は、1960年からのクレーム問合せ約1294例を基本にしている(ビルメンテナンス1999年3月号参照)。
・クレームの定義、成立条件などは、カーペットクレーム対応、基礎編参照。
・クレームカーペットの現品、また類似品はカーペツト分類サンプル参照
・第3版から、ニードルパンチ、人工芝は対象外として省略したが、2004年ビルのリニュウアルとグリーン化で再登場。
・この資料は、積算と見積もり、カーペットメンテナンス難易度表と関連する。

・この資料は、インスペクターのコメント例とリンクすると有効に活用できる。
・各自が目的別に色分けをおこなって使用する。
・シエーデング、ブラウニング、ウイックアップなどのフランチャイズ用語が誤解を生みやすく、統一が必要。
・繊維、施工法、使用場所、色彩、照明、などもクレーム条件であることは云うを待たない。
・機材の販売ルートは、ビルメンルート、クリーニングルート、フランチャイズルート、の3分類。
・最近30年前のクレーム「石鹸焼け」の再発がみられる。
理由は「体にやさしい」を売りに、万能輸入洗剤の中に石鹸使用が増え、一昔前のクレームを再発させている。
・表中に使用の難易度とは、そのカーペットのメンテナンス上クレームの危険が多い、作業が難しい。
この点からの段階評価で5段階で表示する。


2006年のカーぺットメンテナンス特異事項
これらの特異事項を見積もり、提案、インスペクションに盛り込んでおく。
・ニードルパンチは、バブル時前期からカーぺットとしてはあまり使われなかったため、削除してあった。
最近低価格リニューアル用として、多用されている。非常に洗浄効果が悪い。メンテナンス難易度:4
・2003年、ビルに立体化カーぺット(ハイロウ)の増加。クレーム事例がいくつかある。難易度:4
バキュームによるダストの残留が多い。
掃除機の土砂の除去率は40%程度(生活センターデータ。カーぺットメーカーデータ)。
・プリント、オーバープリントは引き続き施工されている。しかもファッション性の高い製品にクレームが多い。
・ここやし、サイザルタイルカーペットに注意、難易度:4
天然繊維志向により、2003年ビル、ホテル、店舗、特に浴場施設などで使用されているが、汚れが取れにくい。
・ポリプロピレンカーペットの増加。焼きつきクレーム増加。
・2004年、ビチュウムバックの製造なし。
ただし今後ゴルフ場、フィットネスクラブなど、数年は存在するためクレーム注意。

・ポリオレフインバックが増加(塩ビバックはダイオキシン問題を含むため)。今後クレームデータの蓄積が必要。
・ハイロウやループ&カットの増加が進んでいる。
・バキュームの性能低下と効果の低下により獣道、ウイックバックの増加が予想される。
・国民生活センター、一部カーぺットメーカー、資料に注意。
・清掃機械の性能測定管理が必要。


カーぺット登録票から提案書、報告書、インスペクション書類の作成例

カーぺットクレーム基礎資料

1:クレームの定義、成立条件
・クレームの定義
オーナー(消費者)からのメンテナンス全般、または作業の結果に対する不満の表明。
・クレームの範囲
広義の場合 価格、クリンクルーの態度まで含める。
狭義の場合 カーぺットの品質(作業後の、主として外見上の変化)に関する技術上の問題が対象になる。
・クレームとなる条件
オーナー(消費者)の、カーペットメンテナンス知識の程度により特定しにくい。
・クレームとなる時期
クレームの申し立ては異常が発見された時、明確になった時に行われる。
カーぺットクリーニングの場合は、クレームの洗剤原因が2~3年前に遡ることも少なくない。
・クレームの分類と傾向
クレームは本来表面化しにくい。実際の発生件数を把握することはできない。
従って本表は統計資料ではなく、傾向を知るための資料である。

2:難易度評価
そのカーペットのメンテナンス上、クレームの危険の多さ、作業の難しさ。
この点からの段階評価で4段階で表示する。
4段階の理由は、ビルデング協会、国土交通省の評価が、
それぞれ「4、3、2、1」「A、B、C、D」を採用していることによる。

3:カーペット繊維汚染度(表面汚れ)
・テクスチャーによる汚れの落ちやすさ
カット>ループ>ニードル
・素材別汚染度(汚れやすさ)
アクリル>ナイロン>ポリエステル>レーヨン>ウール
・素材別汚れ落ち率。汚れの落ちやすさ
ウール>レーヨン>ナイロン>ポリエステル>アクリル
※アクリルはナイロンフィラメントの40%しか落ちない

4:価格傾向
・種類別  段通>ウイルトン・アキスミンスター>タフト>タイルカーペット>パンチ
・素材別  絹>ウール>ナイロン>ポリエステル>レーヨン>アクリル>ポリプロピレン


本資料はセミナー用の資料であり、公式資料ではありません。無断転載はお断りいたします。

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